連帯保証人とは
賃貸契約に関する保証制度、特に連帯保証人制度の見直しについて、説明します。
1. 連帯保証人とは?
連帯保証人は、借主が賃料を支払わなかったり契約違反をした場合、借主と同じ責任を負う人です。債権者(この場合オーナーや管理会社)は、借主に請求せず直接連帯保証人に請求できるほど、責任が重い立場にあります。
2. 制度の見直し(民法改正)について
2020年4月1日に施行された改正民法により、個人が連帯保証人になる場合、次のような制限が加わりました。
■ 極度額の設定が義務化
- 個人が連帯保証人になる場合、「極度額」(保証の限度額)を契約書に明記しなければ、その保証契約は無効になります。
- これにより、連帯保証人は無制限な責任を負わされるリスクが軽減されました。
3. 極度額とは?
- 例えば、「極度額300万円」と明記されていれば、借主がいくら滞納しても、連帯保証人に請求できるのは最大300万円までです。
- 家賃が月10万円であれば、30か月分(=2年半)までの滞納分が限度、というイメージです。
4. 滞納が何か月で連帯保証人に通知されるか?
これは契約内容や管理会社の運用によります。一般的には:
- 1~2か月滞納時点で借主・連帯保証人に連絡が行くケースが多いです。
- 連帯保証人への通知義務は法律で明記されているわけではありませんが、適切なタイミングで通知することが求められています。
5. 2か月以上の支払義務違反と契約解除
- 契約書に「2か月以上賃料を滞納した場合、契約解除できる」とあれば、貸主はその時点で契約解除できます。
- しかし、貸主が何か月も滞納状態を放置した場合でも、連帯保証人に極度額までの請求はできます。
6. 空き家状態が続いていた場合は?
- 借主が退去せず、長期間家賃を滞納し続け、かつオーナーが対応しなかった場合でも、連帯保証人には極度額までの責任が生じる可能性があります。
- ただし、貸主の「損害拡大回避義務」に反する場合は、保証人の責任が軽減される可能性もあります。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
連帯保証人の責任 | 借主と同等。ただし極度額の範囲内。 |
極度額 | 契約時に必ず明記。上限のこと。 |
通知時期 | 多くは1~2か月の滞納で通知。 |
空き家が続いた場合 | 責任はあるが、貸主の対応状況によって減免可能性あり。 |