「その方にとって良い選択」を大切に
不動産会社の中には、営業担当者が売上目標や契約件数などの「営業ノルマ」を持つ会社があります。目標そのものが悪いわけではありませんが、営業側の事情が提案に影響することもあります。
当店では、社長自身がお客様と直接お話しし、ご相談からご提案まで対応しています。そのため、担当者の営業成績や社内ノルマを優先する必要がありません。
「今は買わない方がよい」「急いで売却する必要はない」「もう少しご家族で話し合った方がよい」と考えた場合には、そのことも率直にお伝えします。
不動産は、その後の暮らしや人生にも関わる大切な選択です。だからこそ、「契約になるか」ではなく、「お客様にとって何が良い選択なのか」を一緒に考えることを大切にしています。
不動産選びこそ、プロと一緒に
― FP資格者が教える住まいとライフプラン ―
住宅を選ぶということは、単に「家を買う」「部屋を借りる」ということではありません。
どこに住み、毎月いくら住居費を負担し、どのような暮らしをするのか。
その選択は、これからの生活や家計、子どもの教育、仕事、老後、そして人とのつながりにまで関係してきます。
だからこそ、不動産選びでは「物件が気に入ったから」という理由だけで決めるのではなく、これからの人生全体を考えながら住まいを選ぶことが大切です。
■「買える家」と「安心して暮らせる家」は違います
住宅ローンの審査が通る金額と、将来にわたって無理なく返済できる金額は、必ずしも同じではありません。
住宅を購入した後には、住宅ローンだけでなく、固定資産税、管理費・修繕積立金、建物の維持修繕費など、さまざまな費用がかかります。
さらに、人生には教育費、車の購入、親の介護、病気やケガ、転職、退職、老後の生活など、さまざまな出来事があります。
そのため、住宅購入では「今払えるか」だけではなく、10年後、20年後も安心して暮らしていけるかという視点が重要になります。
■住まい選びはライフプランから考える
FP(ファイナンシャルプランナー)の視点では、住宅を単独で考えるのではなく、
収入・支出・貯蓄・教育資金・保険・住宅ローン・老後資金・相続などを含めて、人生全体の資金計画から住まいを考えます。
例えば、住宅にお金をかけ過ぎれば、教育や趣味、旅行、老後のために使えるお金が少なくなるかもしれません。
反対に、価格だけを優先して住む場所を選べば、通勤時間が長くなったり、家族や友人との交流が減ったり、将来の暮らし方に合わなくなったりすることもあります。
住まいは、人生の「器」です。
どの家を選ぶかによって、毎日の生活だけでなく、家族との時間、人とのつながり、お金の使い方、そして将来の選択肢まで変わってきます。
■不動産選びこそ、プロと一緒に
インターネットを使えば、たくさんの物件を見ることができます。しかし、価格や間取り、築年数だけでは、その住宅がお客様の人生に本当に合っているかまでは分かりません。
大切なのは、「どの物件を買うか」の前に、「これからどのような人生を送りたいのか」を考えることです。
私たちは不動産の知識だけではなく、FP資格者としてお金や将来設計の視点も取り入れながら、お客様と一緒に住まいを考えていきます。
「いくらまで借りられるか」ではなく、「いくらなら安心して暮らしていけるのか」。
「今気に入る家」だけではなく、「これからの人生にも合う家なのか」。
住まいを購入することをゴールにするのではなく、その住まいで始まる暮らしまで考える。
それが、私たちが大切にしている不動産選びです。
お子様がいないご夫婦の相続
お子様がいないご夫婦の相続では、「配偶者が必ずすべての財産を相続するわけではない」という点がとても重要です。
多くの方が誤解しやすいポイントですので、あらかじめ相続の基本的なルールを知っておきましょう。
◆ お子様がいない場合の相続の基本ルール(法定相続)
亡くなった方(被相続人)にお子様がいない場合、法定相続人となる親族の順位は、原則として次のとおりです。
- 配偶者は常に相続人となります
- お子様がいない場合は、父母などの直系尊属が相続人となります
- 直系尊属がすでに亡くなっている場合などは、兄弟姉妹が相続人となります
※兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、その子(甥・姪)が相続人となることがあります。
◆ 例で見る相続パターン
■ ケース1:配偶者と両親が相続人の場合
法定相続分は、
・配偶者:3分の2
・両親:3分の1
となります。
両親がともに健在の場合、両親は3分の1を原則として均等に分けます。
■ ケース2:配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
(両親などの直系尊属がすでに亡くなっている場合)
法定相続分は、
・配偶者:4分の3
・兄弟姉妹:4分の1
となります。
兄弟姉妹が複数いる場合は、この4分の1を原則として人数に応じて分けることになります。
◆ 注意したいポイント
・遺言書がない場合、法定相続人全員による遺産分割協議が必要になることがあります。
・配偶者が安心して自宅に住み続けられるようにするためにも、事前に遺言書を作成しておくことは有効な対策の一つです。
・兄弟姉妹や甥・姪が相続人となる場合、配偶者とほとんど面識がなくても相続権が発生することがあります。
・特に自宅や土地などの不動産が主な相続財産の場合、現金のように簡単に分けることができないため、遺産分割の話し合いが難しくなるケースがあります。
◆ 親から受け継いだ財産をめぐって意見が分かれることも
特に注意したいのが、被相続人が親から相続した実家や土地などを所有しているケースです。
親から受け継いだ財産であっても、被相続人が所有している財産であれば、原則として被相続人の相続財産となります。
お子様がおらず、両親などの直系尊属もすでに亡くなっている場合には、配偶者だけでなく、被相続人の兄弟姉妹などが相続人となることがあります。
このような場合、兄弟姉妹から、
「もともとは両親が所有していた実家や土地なので、配偶者だけが受け継ぐことには納得できない」
といった意見が出ることも考えられます。
一方、配偶者としては、
「長年夫婦で生活してきた家なので、これからも住み続けたい」
と考えることもあるでしょう。
このように、法律上の相続権だけでなく、財産の由来や家族それぞれの思いが絡むことで、遺産分割について意見がまとまりにくくなる場合があります。
◆ 相続対策として検討したい「公正証書遺言」
こうした相続トラブルを防ぐための方法の一つが、公正証書遺言の作成です。
「配偶者に財産を遺したい」
「自宅は配偶者に相続させたい」
など、ご自身の意思をあらかじめ明確に残しておくことで、相続発生後のトラブルを防ぎやすくなります。
また、兄弟姉妹には原則として遺留分がありません。
そのため、お子様がおらず、両親などの直系尊属もいないご夫婦の場合は、遺言書を作成しておくことが特に重要な相続対策の一つとなります。
「うちは子どもがいないから、夫(妻)が全部相続するだろう」と思っていても、実際には兄弟姉妹や甥・姪が相続人になるケースがあります。
大切な配偶者の生活や住まいを守るためにも、元気なうちから相続について考え、準備しておくことが大切です。
相 続
相続について考えるとき、「自分が相続した財産だから、自分の考えで決めればよい」と思われる方も少なくありません。
しかし実際には、相続した財産の使い方や、その財産を次の世代へどのように残していくかは、ご本人の考えだけで決まるとは限りません。
配偶者やお子様など、ご家族それぞれの考えや将来設計が大きく影響することがあります。
例えば、夫が親から受け継いだ財産であっても、妻には妻の立場から、「子どもの養育費や学費、塾や習い事、将来の進学などのために、できるだけ財産を残しておきたい」という考えがあるかもしれません。
夫自身は、親から受け継いだ財産を「自分が相続した財産」と考え、その財産を自分の考えで活用したいと思っているかもしれません。
一方で妻は、「子どもの教育や家族の将来のために大切に残しておきたい」と考え、その財産の使い方や残し方について意見を持つことがあります。
これは、単に配偶者が財産に「口を出している」ということではありません。
夫婦であっても、財産に対する考え方や優先順位、将来に対する考え方が異なるということです。
一方は「自分たちの今の生活や老後のために使いたい」と考え、もう一方は「子どもの教育や将来のためにできるだけ残したい」と考えるかもしれません。
さらに、お子様自身の考えや兄弟姉妹の関係、親族からの意見などが加わることで、財産をめぐる考え方はより複雑になることがあります。
このように、相続は「誰が財産を受け継ぐのか」ということだけで終わるものではありません。
受け継いだ後、その財産をどう使うのか、誰のために残すのか、そして次の世代へどのように引き継いでいくのか。その過程には、配偶者や子どもなど、周囲の家族の考えや事情が大きく関わってきます。
だからこそ相続対策では、「誰に、いくら残すか」だけではなく、財産を受け継いだ後、その財産がどのように使われ、さらに次の世代へどのように引き継がれていくのかまで考えておくことが大切です。
相続は、財産を受け継ぐ本人だけの問題ではありません。
財産を残す人、受け継ぐ人、その配偶者、そして子どもたち。それぞれの想いや事情が関係するからこそ、元気なうちから将来を見据え、ご家族で話し合っておくことが、円満な財産承継につながります。
空家の固定資産税
専用住宅の土地に適用される「住宅用地特例」について
専用住宅の土地には「住宅用地特例」があり、固定資産税の課税標準額が軽減されています。
住宅1戸につき200㎡までの部分は課税標準額が1/6、200㎡を超える部分は1/3となります。
空き家になった場合はどうなるのか
「人が住まなくなり空き家になった場合、住宅用地特例はどうなるのか」というご質問があります。
空き家になっただけで、すぐに住宅用地特例が適用されなくなるわけではありません。
空き家の管理状態が悪化し、市区町村から「管理不全空家」または「特定空家」として必要な措置をとるよう勧告を受けた場合、住宅用地特例の対象から外れることがあります。
ここで重要なのは、単に「指導」を受けた段階ではなく、「勧告」を受けたかどうかです。
いつから固定資産税が変わるのか
固定資産税は、毎年1月1日時点の状況を基準に課税されます。
例えば、2026年中に市区町村から勧告を受け、必要な改善がされないまま2027年1月1日を迎えた場合、原則として2027年度の固定資産税から住宅用地特例が適用されなくなります。
「固定資産税が6倍になる」とは
「空き家を放置すると固定資産税が6倍になる」と言われることがありますが、実際の税額が必ず6倍になるという意味ではありません。
正確には、200㎡までの小規模住宅用地に適用されていた課税標準額を1/6とする特例が受けられなくなるということです。
実際の税額は、土地の評価額や負担調整措置などによって変わります。
空き家を解体する場合
もう一つ注意したいのが、空き家を解体した場合です。
通常の空き家でも、建物を取り壊して翌年1月1日時点で住宅が存在しなくなれば、原則として住宅用地特例が適用されなくなります。
「親が亡くなって実家が空き家になった」「古い家なので取り壊しを考えている」という場合は、いつ解体するのか、いつ売却するのかによって、固定資産税や売却時の税金が変わる可能性があります。
相続した空き家を売却する場合は、一定の要件を満たすことで譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例が利用できる場合もあります。
空き家は、すぐに解体するのではなく、固定資産税や売却時の税金、利用できる特例などを確認したうえで、今後の方針を検討することが大切です。国土交通省空家法
被相続人の居住用財産の特例
(被相続人の居住用財産の特例)
相続した空き家を一定の条件で売却すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
※ただし、2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡について、対象となる被相続人居住用家屋およびその敷地等を取得した相続人が3人以上の場合、特別控除額の上限は一人あたり2,000万円となります。
□制度の目的
- 相続後に放置される空き家の増加防止
- 老朽化による倒壊等のリスクの回避
- 空き家の早期流通・有効活用の促進
税制上の根拠:租税特別措置法第35条
関係機関:国税庁・国土交通省
□ 主な適用要件(売主側)
① 相続した住宅であること
- 原則として、相続開始直前まで被相続人が居住していた住宅であること
- 原則として、被相続人以外に居住していた人がいなかったこと
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
- 区分所有建物登記がされている建物ではないこと
※一定の要件を満たす老人ホーム等への入所の場合も対象となることがあります。
② 相続後の状態
相続時から売却時まで、
- 事業に使用していない
- 賃貸していない
- 居住用として使用していない
などの要件を満たす必要があります。
③ 売却条件
- 売却代金が1億円以下
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却
- 特例を受けるためには確定申告が必要
□ 2024年(令和6年)以降の重要な改正
相続人が3人以上の場合
2024年(令和6年)1月1日以後に対象となる「相続した空き家」を売却した場合で、対象となる家屋・敷地等を相続または遺贈により取得した相続人が3人以上いる場合には、これまで最大3,000万円だった特別控除額が、一人あたり最大2,000万円となります。
つまり、
相続人が1人または2人 → 一人あたり最大3,000万円
相続人が3人以上 → 一人あたり最大2,000万円
となる点に注意が必要です。
□ 耐震・取壊し要件
― 2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡 ―
現在は、主に次の方法があります。
① 売主が耐震改修して売却
→ 現行の耐震基準を満たした状態で売却
② 売主が解体して更地で売却
→ 建物を取り壊したうえで土地を売却
③ 売却後に買主が耐震改修または取壊し
→ 売却時点では旧耐震の状態でも一定の要件を満たせば対象
→ 譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに、耐震改修または建物の取壊しを行う必要があります。
この③が、2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡から適用された重要な改正ポイントです。
□ 購入者側のポイント
売却後に購入者が耐震改修等を行う場合は、
- 売買契約時に、買主が耐震改修または取壊しを行うことについて確認しておく
- 譲渡日の属する年の翌年2月15日までに工事等を完了する
- 耐震改修の場合は、所定の耐震基準適合証明書等を準備する
- 売主が確定申告・確認書取得等に必要となる書類について、買主の協力を得る
ことが重要です。
耐震改修費用を買主負担とする場合には、費用負担や工事期限、必要書類への協力について、売買契約書・特約等で明確にしておくことが実務上重要です。
□ 実務上の注意
- 耐震改修・取壊しの期限(原則として譲渡年の翌年2月15日)に注意
- 「被相続人居住用家屋等確認書」など、確定申告に必要な書類を事前に確認する
- 売却代金1億円以下の判定には、一定の場合、他の相続人による売却分等も影響する
- 相続人が3人以上の場合は、一人あたりの控除上限が2,000万円
- 共有・共同相続の場合は、各相続人について適用要件を確認する必要がある
- 他の譲渡所得に関する特例との適用関係についても事前確認が必要
空家法の特例
空家法(空き家譲渡所得の3,000万円特別控除)における耐震改修・解体工事
■ 最新制度(令和6年1月1日以降の譲渡)
令和6年1月1日以降の譲渡については、譲渡後に買主が耐震リフォーム工事または解体工事を行った場合でも、一定の要件を満たせば特例の適用が可能となりました。
売買契約に基づき、譲渡日から翌年2月15日までに、買主が次のいずれかを完了する必要があります。
- 耐震リフォーム工事を実施し、耐震基準適合証明書等を取得すること
- 家屋を解体すること
これらの要件を満たした場合、売主は必要書類を添付して確定申告を行うことで、特例の適用を受けることができます。
■ 要点まとめ
- 対象となる譲渡期間:令和6年1月1日~令和9年12月31日
- 買主が譲渡後から翌年2月15日までに、次のいずれかを実施すること
- 耐震リフォーム工事(耐震基準適合証明書等の取得を含む)
- 家屋の解体工事
- 売主は買主から必要書類の交付を受け、確定申告を行うことで特例の適用を受けることができます。
■ 実務上の注意点
- 売買契約書に特約を記載することが重要です。
- 特約には、買主が耐震リフォーム工事または解体工事を実施し、特例の適用に必要な証明書等(または解体を証する書類)を売主へ交付する旨を明記しておく必要があります。
- ■昭和56年5月31日以前に建築された建物(旧耐震基準)が対象
- 令和8年(2026年)時点では、おおむね築45年以上の建物が該当します(建築時期によって多少前後します)。
これは、昭和56年6月1日から新耐震基準が施行されたためで、特例では旧耐震基準の住宅について、耐震リフォームまたは解体を行うことを要件としています。
不動産取得税
■ 不動産取得税とは?
不動産(土地や建物)を有償または無償で取得したときに課される税金です。都道府県が課税主体で、一度きりの税金です。
■ どんなときにかかるの?
不動産を購入した ✅ かかる
新築・建売住宅を購入 ✅ かかる
建物を新築した ✅ かかる
相続で取得した ✖ かからない
贈与で取得した ✅ かかる(ただし別途、贈与税も)
■ 税額の計算方法
不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 税率
■ 標準税率:
- 土地・建物ともに 4%
※ただし、軽減措置により以下のように軽減されるケースが多いです。
■ 主な軽減措置(住宅用の場合)
◎ 新築住宅の場合:
- 税率:3% に軽減
- 建物の評価額から1,200万円の控除(一定条件あり)
◎ 土地の軽減:
- 課税標準額から控除あり(計算が少し複雑)
- 例:一定の面積以下の宅地であれば1/2に減額
◎ 中古住宅の軽減(条件あり):
- 耐震基準を満たす住宅(昭和57年以降の建築など)であれば控除対象に
- 建築年数や用途によって異なるので、都道府県税事務所に確認が安心
■ 支払いのタイミングと方法
- 不動産を取得してから数か月後に納税通知書が届く
- 通常は都道府県税事務所から送られてきます
- コンビニや銀行、スマホ決済などで支払い可能
■ 注意点
- 固定資産税評価額は、市場価格とは異なるため注意
- 軽減措置を受けるには申告が必要な場合もあるので、通知書を受け取ったら内容をよく確認
- 贈与による取得は、贈与税も別途かかる場合あり
■ 相談先
- お住まいの都道府県税事務所
普通借家契約における解約時の注意点と合意解約書の重要性
普通借家契約における解約時の注意点と合意解約書の重要性
賃貸借契約の解約においては、貸主・借主いずれの都合であっても、後々のトラブルを防ぐための適切な対応が重要です。特に普通借家契約では、解約の進め方に一定のルールや実務上の注意点があります。
貸主都合による解約の場合
貸主からの解約は、単に「6ヶ月前に通知した」だけでは成立しないケースが多く、法律上は「正当事由」が求められます。この要件は非常に厳しく判断されるため、実務上は借主との協議による「合意解約」とするケースが一般的です。
その際に重要となるのが「賃貸借契約合意解約書」です。
書面を交わすことで、解約条件や退去時期などを明確にし、後の紛争を防ぐことができます。
借主都合による解約の場合
借主からの解約については、契約書に定められた解約予告期間(通常1ヶ月前など)を守れば、基本的には問題なく退去が可能です。
ただし、以下のようなケースでは注意が必要です:
- 解約日の認識にズレがある
- 原状回復費用や敷金精算で意見が分かれる
- 短期解約違約金の有無が曖昧
こうしたトラブルを防ぐためにも、借主都合であっても「合意解約書」を作成しておくことが望ましいとされています。
合意解約書に記載すべき主な内容
実務上、以下の項目は最低限明記しておくべきです:
- 解約日および明渡し日
- 家賃の最終支払日
- 原状回復の範囲
- 敷金の精算方法
- 鍵の返却方法
- 双方の債権債務がないことの確認(清算条項)
音信不通などトラブル時の対応
相手方と連絡が取れない場合、一方的に解約を進めることは大きなリスクを伴います。
このような場合は、内容証明郵便などで正式な通知を行い、記録を残しながら慎重に対応することが重要です。
まとめ
賃貸借契約の解約においては、貸主・借主いずれの立場であっても、合意内容を明確に書面化することがトラブル防止の鍵となります。特に貸主都合の場合は必須に近く、借主都合であっても実務上は作成が強く推奨されます。
配偶者居住権
「配偶者居住権(はいぐうしゃきょじゅうけん)」について、ご説明します。
■配偶者居住権とは?
「配偶者居住権」とは、被相続人(亡くなった方)の配偶者が、亡くなるまで、または一定期間、無償でその住まいに住み続けられる権利です。
これは、2020年(令和2年)4月1日に施行された新しい制度で、高齢の配偶者の住まいを守るために導入されました。
■なぜ必要になったの?
これまでの制度では、住んでいた家も相続財産の一部として分割対象になるため、配偶者が「家を失う」リスクがありました。
特に、子どもとの遺産分割協議で不利な立場になることも…。
■そこで「配偶者の住む権利」を独立して保護するために、この制度が導入されました。
■どんな権利なの?
居住権の性質 所有権と別に設定される「使用権」
無償で住める 家賃などは不要
第三者に売却不可 譲渡・売却できない(保護目的の為)
法的保護あり 登記すれば第三者に対抗可能
■取得の方法は?
配偶者居住権は、以下のどちらかで取得できます。
- 遺産分割協議で定める
- 遺言で指定されている場合
■いずれの場合も、法務局で登記することで権利が保護されます。
■例で説明(簡単なケース)
夫が亡くなり、妻と子が相続人。
夫婦が住んでいた家の評価額は3,000万円。
【従来の方法】
妻が家を相続するなら、3,000万円分の他の財産が相続できなくなる(バランスが取りにくい)
【配偶者居住権を使った場合】
- 妻が「住む権利(配偶者居住権)」を取得 → 評価額はたとえば1,200万円
- 残りの1,800万円分の家の所有権は子どもに → 財産の分け方が柔軟になる
■メリット・デメリット
メリット
高齢の配偶者の住まいを確保できる
財産の分け方が柔軟になる
デメリット
不動産の評価や分割が複雑になる
家を売って現金化しにくくなる
■まとめ
- 2020年に施行された新しい制度
- 配偶者の「住まいを守る権利」として注目
- 相続人間のトラブル防止にも有効
- 遺言や遺産分割協議での事前の合意がポイント







