土砂災害警戒区域
■土砂災害警戒区域(イエローゾーン)
土石流、地すべり、急傾斜地の崩壊などの土砂災害が発生するおそれがある区域です。この区域では、住民への危険の周知や警戒避難体制の整備が求められます。
■土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)
土砂災害が発生した場合に、建築物に著しい被害が生じ、人命に重大な被害が生じるおそれがある区域です。この区域では、建築物の構造規制や新築の制限が行われます。
■指定区域の確認方法
お住まいの地域がこれらの区域に該当するかどうかは、以下の方法で確認できます。
- 重ねるハザードマップ(国土地理院)
全国の土砂災害警戒区域や特別警戒区域を地図上で確認できます。住所を入力することで、該当する区域が表示されます。
◆重ねるハザードマップ
- 神奈川県土砂災害情報ポータル
神奈川県内の土砂災害警戒区域等の情報を確認できます。地域ごとの詳細な情報が提供されています。
◆神奈川県土砂災害情報ポータル
- 国土交通省 砂防部
全国の土砂災害警戒区域等の指定状況を確認できます。都道府県別の指定状況が一覧で掲載されています。
◆土砂災害警戒区域等の指定状況等 - 砂防 - 国土交通省
はい、その通りです。日本において土砂災害警戒区域や特別警戒区域の指定に関しては、特に以下のようながけ地形が対象となります。
【指定対象となるがけの基準】
✅ 勾配が30度以上
がけ地として危険とみなされる傾斜の基準です。
✅ 高さが5メートル以上
この高さ以上のがけが基本的な指定対象となります。
✅ 構造物の有無
構造物(擁壁など)がない自然のがけで、崩壊の危険がある場合が主な指定対象です。擁壁があっても老朽化や設計不備などで安全性が確保できない場合には、指定されることもあります。
【補足】
- 単に30度・5mを超えるがけであっても、背後に人家や公共施設などが存在しない場合には指定されないことがあります。
- 地形や地質、降雨履歴などの詳細調査に基づいて、都道府県が個別に判断・指定します。
詳しくは、お住まいの都道府県の土砂災害情報ポータルや建築指導課などにお問い合わせください。
盛土法
■盛土法の概要(宅地造成及び特定盛土等規制法)
■主なポイント
- すべての盛土が対象に
住宅地以外の森林や農地などに行う盛土も含め、危険な盛土は原則すべて規制対象となります。 - 都道府県が「規制区域」を指定
災害リスクが高い区域(例:崖上、谷沿いなど)を規制区域に指定。そこでは一定規模以上の盛土工事に許可が必要です。 - 無許可・違反盛土に厳罰
許可なしで工事を行ったり、安全対策を怠った場合には、懲役刑や高額な罰金が科されることがあります。 - 盛土の安全管理が義務化
事業者は工事前・工事中・完成後において、地盤の安全確保や排水対策、点検報告が義務付けられています。
■なぜ盛土法が必要?
2021年7月の静岡県熱海市の土石流災害では、違法な盛土が崩壊し、多数の死傷者が発生しました。これを受けて、従来の宅地造成規制法を大幅に強化した新法として「盛土法」が誕生しました。
■関連する届け出や規制内容
- 盛土を行うには、事前に都道府県知事の許可が必要。
- 盛土の高さ、傾斜、安全措置などの技術基準を遵守。
- 工事完了後も定期的な点検と報告義務があります。
用途地域
■用途地域とは?
用途地域は全部で 13種類 に分かれています。大きく3つのグループに分類できます
① 【住居系】静かな住環境を守るエリア(全8種)
第一種低層住居専用地域 住宅のみ。高さ制限あり
第二種低層住居専用地域 小規模店舗・事務所OK
第一種中高層住居専用地域 中層住宅・小規模店舗OK
第二種中高層住居専用地域 中規模店舗や病院OK
第一種住居地域 中高層住宅・店舗併用OK
第二種住居地域 パチンコ店・カラオケOK
準住居地域 幹線道路沿い住宅・店舗
田園住居地域 農地+住宅の共存(新設)
② 【商業系】商売に適したエリア(全2種)
近隣商業地域 住宅+小中規模店舗が共存
商業地域 百貨店、映画館、飲食店など自由度高い
③ 【工業系】工場が建てられるエリア(全3種)
準工業地域 住宅も工場も建設可能
工業地域 工場中心。住宅や学校も可
工業専用地域 工場のみ。住宅はNG
■なぜ用途地域が重要?
- 近隣にパチンコ店や工場が建つのを防ぐ
- 学校や病院の周囲の静けさを守る
- 地価や資産価値に影響がある
- 建築基準(高さ制限、容積率など)が用途地域で異なる
家賃保証制度
日本の賃貸制度における「保証会社」について、以下のように詳しく、わかりやすく解説いたします。
◆ 日本の賃貸住宅における保証制度とは?
以前の日本では、賃貸契約時に「連帯保証人(家族や知人)」の署名・捺印が必須でした。
特に家賃滞納があった場合、この連帯保証人が責任を負う仕組みでした。
しかし現在では、「保証会社(家賃保証会社)」を利用するケースが一般的となっています。
◆ 保証会社の仕組み
- 借り主が保証会社に申し込みます(賃貸管理会社や不動産会社経由で行います)
- 保証会社が借り主の収入や職業、在留資格などを審査します
- 審査に通過すれば契約可能、連帯保証人が不要になる場合が多いです
- 万一の家賃滞納が発生しても、保証会社が家主に家賃を立て替えます
◆ 保証会社は後に、借り主に対して立替分の請求を行います。
◆ 外国人の方も借りられる?
はい、保証会社の審査に通れば、外国人の方でも日本で物件を借りることが可能です。
外国籍の方に対して審査で重視されるポイント:
- 在留資格の種類と期間
- 職業や収入の安定性
- 日本語での意思疎通能力
- 過去の滞納歴の有無
◆保証会社によっては、英語や中国語、ベトナム語など多言語対応をしているところもあります。
◆管理会社・オーナーの安心材料にも
賃貸管理会社は、借り主の家賃滞納リスクを減らすために保証会社を活用しています。
保証会社の承認があることで、貸し手側も安心して契約できます。
このように、「保証会社制度」は、借り主・貸し主の双方にとってメリットのある仕組みです。
他に気になる点があれば、何でもお気軽にご相談ください。
位置指定道路
■ 位置指定道路とは?
「位置指定道路(いちしていどうろ)」とは、建築基準法第42条1項5号に基づいて、建築基準法上の道路として特別に指定された私道のことをいいます。
簡単にいうと、家を建てるときに「接道義務(建物は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない)」がありますが、そのために市区町村の許可を得て、私道を“公道のように”扱ってよいとする制度です。
■ 特徴
- 私道であるが、法律上の「道路」として扱われる
- 開発者(または土地所有者)が申請し、役所から「位置指定」を受ける
- 公道と同じく、建築確認がとれる道路として使える
- 道路の幅は原則4m以上必要(2項道路と同じ)
■ メリット・デメリット
メリット
- 公道に面していない土地でも、建築が可能になる
- 土地の開発自由度が高まる
デメリット
- 私道のため、維持管理(舗装・清掃・除雪など)は所有者や利用者の責任
- 通行トラブル(通行権の制限など)が起きる場合も
■ よくある注意点
- 売買時には「位置指定道路であるか」「持分があるか」を確認する必要があります
- 再建築や建て替え時に支障が出ることもあるため、事前確認が大切
以上が「位置指定道路」についての基本です。
孤独死
家族や他人に看取られることなく、一人きりで亡くなることを指します。
日本では高齢化や単身世帯の増加により、特に社会的な問題として注目されています
■ 孤独死の定義(一般的な意味)
法律上の明確な定義はありませんが、一般的には以下のように理解されています
- 一人暮らしの人が自宅などで死亡
- 死亡後、一定期間発見されない
- 誰にも看取られない状態での死
■ 孤独死が問題とされる理由
発見の遅れ 数日〜数週間気づかれず、腐敗や異臭などの問題が生じる
精神的な孤立 家族・近隣とのつながりが希薄で、助けを求められない
賃貸住宅での影響 オーナー側が事故物件となることを懸念し、家主・管理側に経済的負担が発生
社会的孤立 高齢者だけでなく、若年層でも増加傾向がある
■ 孤独死の背景
- 高齢化社会(特に「8050問題」など)
- 未婚化・晩婚化
- 地域のつながりの希薄化
- 経済的困窮や精神的疾患
- 仕事や人間関係からの疎外
■ 孤独死の予防策
見守りサービス 民間や自治体による高齢者の定期確認(訪問・センサー付き電球など)
地域とのつながり 町内会、サロン、ボランティアなど地域活動への参加促進
賃貸住宅での対策 孤独死保険(家主向け)、家族や保証人との連携
定期的な連絡の習慣 友人・親族とのLINE・電話など
■ 孤独死と不動産(参考)
孤独死が起きた住宅は「心理的瑕疵物件(事故物件)」とされる可能性があり、以下のような影響が出ます
- 賃料の低下
- 次の借主への告知義務(一定期間)
- 原状回復・特殊清掃費の発生
特殊建築物道路幅員
■1,000㎡以上の中古マンションの道路幅員は建築基準法の接道義務(幅員4M)だけでは建築できない場合があり、神奈川県条例で、既存不適格となる場合があります。
■神奈川県条例の解説(神奈川県県土整備局建築住宅部建築指導課) I-10より 引用
(大規模な建築物の敷地と道路との関係) 第4条 延べ面積が 1,000 平方メートルを超える建築物の敷地は、道路に6メートル以上接しなければならない。た だし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の建築物で知事が安全上支障がないと認めて 許可したものについては、この限りでない。
占有権
■ 占有権とは?
占有権とは、「物を事実上支配している人が持つ権利」のことです。
たとえば、土地や建物を実際に使用・管理している人が「占有者」となり、その状態を法律的に保護するための権利です
■ 占有権の特徴
- 登記や契約がなくても成立
→ 実際に使っていれば占有があるとされます。 - 所有権と異なる
→ 所有者でなくても、借りている人や不法占拠者でも「占有者」としての立場があります。 - 法律上の保護がある
→ 他人が勝手に物を奪ったり壊したりした場合、「占有者」として返還請求や損害賠償ができることがあります。
■ 占有の種類
自主占有 自分が所有者のつもりで占有している(例:買ったつもりで住んでいる)
他主占有 所有者が別にいて、その人の承諾で使っている(例:賃貸借)
■ 占有権に関連する法律効果
- 占有回収請求(民法198条)
→ 不法に奪われた場合、占有者はその物を取り戻す請求ができます。 - 時効取得の起点になる
→ 例えば、土地を20年間占有し続けると所有権を取得できる可能性があります(時効取得)。 - 善意・悪意の違いが影響
→ 占有者が「本当の所有者だと思っていた(善意)」かどうかで法的保護の範囲が変わります。
■ 具体例で理解
- Aさんが土地を借りて使っている → Aさんに占有権がある(他主占有)
- Bさんが誰の土地か知らずに住んでいる → Bさんに占有権があるが、所有権とは別
- Cさんが他人の物を勝手に持ち帰った → 不法占有だが、法律上の「占有者」として扱われることもある
■ まとめ
- 占有権は「実際に持っていること(事実上の支配)」に基づく権利
- 所有者でなくても認められる
- 法的保護がある(占有回収、時効取得など)
敷地高低差
「敷地の高低差」とは、土地の中での高さの違いや、隣地や道路との間にある高低差のことを指します。一見平坦に見える土地でも、実際には数十センチ~数メートルの差があることは珍しくありません。以下の点が特に重要です
■ 敷地の高低差があるときの主な注意点
① 基礎工事の影響
- 高低差があると、ベタ基礎・布基礎のどちらにしても、土留めや段差を吸収する構造が必要になります。
- 地面を削る(掘削)・盛る(盛土)作業が発生し、土工費が高額になる傾向があります。
- 極端な高低差では、擁壁(ようへき)と呼ばれるコンクリートの壁を設ける必要があり、これが数十万円〜数百万円の費用になることもあります。
② 外構工事(階段・スロープ・塀など)
- 玄関までの階段、スロープ、カースペースの勾配などを設計する必要があります。
- 車庫をつくる場合、道路より敷地が高いとコンクリートのスロープを設ける必要があり、これにも費用がかかります。敷地が低いと雨水の逆流防止なども検討しなければなりません。
③ 造成工事の必要性
- 高低差が大きい土地では、宅地として使うために造成工事(地盤整備)が必須になります。
- 特に古家付きの土地などでは、解体後に地形が明らかになることもあり、後から想定外の費用が発生するリスクもあります。
④ 近隣や道路との関係
- 隣地より高い場合:擁壁の安全性、越境、排水トラブルなどに注意が必要です。
- 道路より高い/低い:出入りのしやすさ(バリアフリー性)、見通しの悪さ、安全性にも関わります。
■ 敷地の高低差を確認する方法
現地確認 メジャーや水準器で簡易的に段差を測ることができます
高低差測量図(GL図) 販売図面や測量図に「±0」や「GL(グランドライン)」で記載されます
Google Earth 簡易的な標高確認が可能(ただし誤差あり)
地盤調査報告書 地盤と共に高低差も把握できる場合があります
残置物清掃
■ 残置物(ざんちぶつ)
前の住人や所有者が置いていった家具・家電・ゴミ・私物など、契約上は撤去すべきなのにそのまま残っている物のことを言います。
例:
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ソファ、冷蔵庫、洗濯機
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食器、衣類、本、日用品
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ゴミ、不要な雑貨など
■ 清掃代・処分費用は誰が払うの?
● 原則として…
売買の場合 通常は売主負担(引き渡し時に空にして渡すのが一般的)
賃貸で退去時 通常は借主(退去者)負担
特別な契約がある場合 契約書に従う(例:「現状有姿で引き渡し」など)
■ 清掃代の相場
内容や量によりますが、目安として:
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軽微な清掃:数千円~1万円程度
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家具やゴミの撤去含む本格的な片付け:3万円~10万円程度
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大量のゴミ屋敷や遺品整理レベル:10万円~30万円以上
※遺品整理業者や不用品回収業者に依頼すると、部屋の広さ・物の量・階数などによって変動します。
■注意点
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賃貸の場合は「原状回復義務」の範囲に含まれることが多いですが、過剰な請求がされるケースもあるので注意(国交省のガイドラインも参考になります)
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売買の場合で残置物が残っているまま引き渡しを受けると、その後の処分費用は買主が負担になる可能性あり(契約で明記するのが大事)
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トラブル防止には事前確認が必須!
■契約書で明確にするのがポイント
「残置物は売主が撤去し、空の状態で引き渡すこと」
または
「現状有姿(げんじょうゆうし)で引き渡すため、残置物の処分は買主が行う」
などと明記しておけば、後のトラブルを防げます。
■もしすでに残置物がある状態で困っているなら…
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写真を撮って記録を残す
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契約書の記載内容を確認
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貸主・売主・不動産会社にすぐ連絡
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必要なら自治体の粗大ごみサービスや不用品回収業者に相談







